2018年4月13日金曜日

コメントへの返答(基地航空隊と敵装備スロットの対応関係について)

コメントを頂いたので新記事でこの件、つまりスロットの可視化が必要かどうかについて考えてみます。ちなみにこの記事(および前記事)の記述は攻略wikiに問題なく載せられることを想定して書いています。(可視化されていない情報にできるだけ触れていないのはそのせいです)
あまり時間が割けないので暫定案です。
解説ありがとうございます。質問なのですが、「ヌ級eliteは1~3スロット目に艦戦・艦爆・艦攻の順で艦載機を装備しているようです。」とありますが、これは通常戦闘時のものであり、基地空襲ではまったく別の装備構成である可能性は残ってしまうのではないのでしょうか?もちろん、敵IDなどが判明すれば、同一の装備構成であることが証明できますが、やはりこの証明には、可視されていない通信データの可視化が必要になってしまうように思います。
前記事でも述べたように、「攻撃エフェクトの発生=対応する攻撃手段を持つ航空機の存在」と言う事が言えますので、ヌ級eliteは艦爆・艦攻を装備していると言う事が言えます。また、対空CIで攻撃可能な艦載機を全滅させた場合にも敵航空機のグラフィックが全滅せずに残るので、開幕攻撃に参加しない航空機=艦戦を装備しているとも言えるでしょう。
さて、前記事でも述べたように、通常の艦これクライアント上で観測した結果によると、雷電を2スロット目に配備した場合は艦爆が必ず全滅、3スロット目に配備した場合は艦攻が必ず全滅しています。他に合理的な説明ができない限り、この事から雷電の配備先と全滅する艦載機の種類が対応していると言う事ができるでしょう。

とりあえずこの時点でも(完全に正確ではないとしても)基地航空隊の2~3スロット目に陸上戦闘機を装備するのは有効と言う事は言えるでしょう。

この時点で問題と言えるのは、基地航空隊の配備先が具体的に何に影響しているのかは敵艦の装備構成が未確定の場合正確にはわからない、ということになりそうですね。
1つの解決策としては、攻略wikiの記述を根拠としてヌ級eliteの装備構成を推定しておき、注釈と言う形でコメントで指摘された懸念事項を入れておく、というものです。
ただ、この場合雷電の配備先が装備スロットと関係しているのではなく、艦載機の種別と対応しているという可能性が残ってしまいます。

さて、この可能性を潰すためにはどうすればいいのでしょうか?
ここからは仮定の話になります(時間が取れ次第試行予定)。
6-5の基地空襲ではヲ級flagshipが登場します。彼女相手に、制空権確保の状態で3スロット目に雷電を配備しても艦攻が必ずしも全滅しないことが「1件でも」確認されれば、基地への配備先と艦載機の種類が対応していないことが言えるでしょう。



2018年4月5日木曜日

防空関連メモ(2018年12月24日修正)

とりあえず暫定的に

ほぼ確実

消去法で考えた場合、現時点では他の可能性が考えられないもの

・配置スロットと迎撃対象が対応している

参照: https://kancolleoperationroom.blogspot.com/2018/04/blog-post_5.html

・対爆値による撃墜ボーナスの存在

参考: https://docs.google.com/spreadsheets/d/e/2PACX-1vTMbuz83POR4VWB5Tnpi26IWQfwuVkI0PBWJH-cNRdMO_iFe5uVm4J2iE7uDsPgiUAadqZB-J41hWEZ/pubhtml?gid=1552957228&single=true
対爆値が増えるごとに撃墜数の振れ幅も大きくなっていることがわかると思います。
制空喪失時においては対爆値/迎撃値が1/3の隼III型甲と対爆値/迎撃値が1/5の隼64戦隊の間に撃墜数に差が無いと考えられるのでこの撃墜ボーナスは少なくとも制空喪失時には対爆値に依存していると考えられるでしょう。
また別記事を見てもらうとわかると思いますが、制空優勢時の雷電と飛燕244でのスロットの全滅率には差が出ているように見えます。(雷電の対爆値/迎撃値は5/2、飛燕244の対爆値/迎撃値は3/4です。)これらの結果を踏まえると、制空状態が変化した場合でも、迎撃値の数値が及ぼす影響は対爆値と比較した場合、ないもしくは極めて小さいと考えられるでしょう。対爆値と迎撃値が同等の働きをすると考えた場合、雷電と飛燕244の全滅率が同等でないとおかしいからです。

・陸上戦闘機カテゴリの機体全てに「制空状態」で変動する撃墜ボーナスの存在

艦戦のみを配備した時と比較すると、対爆値0の隼II型でも制空喪失時での撃墜数が増加しているので、陸上戦闘機に撃墜ボーナスが存在していると考えられます。ただし現在全ての陸上戦闘機に迎撃値が付いているので、これは迎撃値が存在するかどうかに由来するボーナスかもしれません。ただし、上述のように雷電と飛燕244を比較した場合、雷電の持つ撃墜ボーナスの方が優秀だと考えられるので、迎撃値の大小は撃墜ボーナスに影響は及ぼさない、もしくは極めて小さい影響しか持たないと考えられます。

制空状態での変動については、参考: https://twitter.com/trollkin_ball/status/970602139696287744
確保状態では基地へのダメージが発生しないので、例外処理が行われている可能性もなくはないです…が少なくとも「制空状態での変動」と矛盾はしません。
(および・暫定: https://twitter.com/HMS_ArkRoyal_KC/status/971845353334083585)

データを元に推定されているもの

・陸上戦闘機による撃墜ボーナスの値

基地防空航空戦での素撃墜割合の仮定式が正しい場合、制空喪失では下限が3.5%でほぼ確定です。

・対爆値による撃墜ボーナスおよびランダム範囲

エクセル風に書くと対爆値(AB)によるボーナスの基本値 = AB + INT(RAND() * AB)
(INT(RAND() * AB)は0~(AB-1)の範囲の整数乱数を返します)
これに大体3.5%の係数が掛かると思われますが、未確定です。

実は調査が必要なもの

・素撃墜割合の仮定式

この仮定式は、検証データで得られた「制空喪失状態では撃墜率は固定」「撃墜率の振れ幅は通常の航空戦よりも狭い」「各制空状況での撃墜率の平均値」という要素を、艦これ改の計算式を必要最小限に改変することで説明するために考え出したものです。ですので、基地防空の計算式が予想よりも複雑だった場合には成り立ちません(が、現時点での考察の手掛かりにはなるはずです)。

恐らく存在すると考えられるもの

・未知の撃墜ボーナス

確保状態で陸上戦闘機を配備しないスロットでも全撃墜が発生する場合があるので、スロット毎ではなく全体に掛かる撃墜ボーナスが存在していると考えられます(もちろん素撃墜割合の仮定式が間違っている可能性もあり)
ちなみに、この未知の撃墜ボーナスが存在した場合でも、上記の「ほぼ確実」と考えられる項目への影響はありません。

ないとはっきり言った方がいいもの

・局地戦闘機/陸軍戦闘機のカテゴリの違いに由来するボーナス

以前言われていた10%/7%のボーナス説の前提は
「局戦/陸戦は全体の撃墜率にボーナスを与える」
「対爆値は撃墜ボーナスに影響しない」
でした。実際は
「局戦/陸戦は特定のスロットの撃墜率にボーナスを与える」
「対爆値は撃墜ボーナスを持つ」
ことが「ほぼ確実」ですので、10%/7%説は否定されたと考えていいでしょう。
ただし、10%/7%という「具体的な数値」の否定はボーナスそのものの否定を意味しないので、注意が必要です。

よくわからないもの

・装甲や火力の効果

基地防空においては、航空基地への1桁のダメージが観測されることがあるので、
「敵機の攻撃力の計算式が異なる」
および
「航空基地の装甲値が存在する」
少なくともこのいずれかは確実です(もちろん両方というケースも)。
航空基地に装甲値が存在する場合、紫電系統の装甲値が何らかの影響を持つことも考えられますが、効果を確認するためには相当数のデータが必要となるでしょう…

陸上戦闘機の配備先と迎撃対象の関係

はじめに

基地防空関連で新たに判明した要素は数多くありますが、恐らく最も役に立つと言えるのが、タイトルにもある通り「陸上戦闘機の配備先と迎撃対象の関係」です。陸上戦闘機の配備先を少し意識することで、より効果的な防空を行えるようになります。

概略

簡潔にまとめると、「航空基地のX番目のスロットに配備した陸上戦闘機は敵艦のX番目に装備された艦載機を迎撃する」ということです。敵艦載機の編成は艦によって異なりますが、基本的に1スロット目は戦闘機、2~4スロット目に爆撃機/攻撃機が配置されているため、2~4スロット目に強い(対爆値の高い)陸上戦闘機、1スロット目に彩雲(もしくは制空値の高い戦闘機)を装備するのが現時点では最良の編成だと言えそうです。ただし、基本的には対爆値によるボーナスよりも制空状態によるボーナスの方が大きいため、Spitfire Mk.Iなどの対爆値は高いが制空値の低い戦闘機を配備した結果制空状況が悪化してしまう場合は「制空状況を優先」するようにしましょう。(細かく補足すると、航空機のいない空白スロットや航空機が全滅したスロットは数えられずスキップされるという仕様がありますが、通常の基地防空ではあまり考えられないケースなので特に覚えておく必要はありません。)

補足解説

以下、
https://twitter.com/HMS_ArkRoyal_KC/status/969768057513172992

についての簡単な補足解説です。

まず、艦これの演出面での前提として、航空戦において
「攻撃可能な航空機が存在している場合攻撃エフェクト(艦爆の場合爆撃、艦攻の場合は雷撃)が発生する」
つまり「攻撃可能な航空機が存在していない場合攻撃エフェクトは発生しない」
この2点があります。多くの提督諸兄は、例えばツ級に艦載機が枯らされたかどうか、自軍の攻撃エフェクトの有無で判断できることをご存知でしょう。この前提はもちろん敵側にも当てはまり、対空CIなどで敵艦載機を全滅させた場合攻撃エフェクトが発生しないことは、艦隊の防空に気を遣っている方はもちろんご存知の事だと思います。これを利用することで、基地防空でどの敵スロットが全滅したかどうか判定することができます。(ちなみに攻略wikiではマスクデータの取り扱いに関する議論があるようですが、この手法を用いることで、防空時の撃墜ボーナスの強弱をマスクデータを覗くことなく間接的に観測することが可能です。)

細かい仮定計算式については別の機会にお話するとして、観測された結果について考えてみましょう。
艦これ攻略wikiの敵データによると、ヌ級eliteは1~3スロット目に艦戦・艦爆・艦攻の順で艦載機を装備しているようです。(参考: http://wikiwiki.jp/kancolle/?%C5%A8%B4%CF%C1%A5)この結果において、制空権確保の状態で「雷電の配置先を変えることのみ」で全滅する敵スロットが変化したように見えます。そして雷電を2スロット目に配備した場合は敵の艦爆が、3スロット目に配備した場合には敵の艦攻が「必ず」全滅しているように見えます。また、雷電を配備しない場合は「高い確率で(95%以上)」敵スロットが全滅していないように見えます。
以上を元に、まずは「雷電の配置先と全滅する敵スロットには関係がなく、偶然偏っただけ」という可能性について考えてみましょう。仮に制空権確保の状態で特定のスロットが全滅する確率を仮に60%程度と仮定してみます(厳密な数値ではありませんが、試行回数が計100件、スロットの全滅が観測できた件数が延べ123件なので観測結果から大きく乖離した仮定ではないでしょう)。
上記のツイートでは2スロット目もしくは3スロット目に雷電を配備しなおかつ該当する敵スロットが全滅したケースは延べ110件中110件です。このような結果が発生する確率は60%の110乗(=3.95037e-23%)だと考えられます。ですので、雷電の配備先と全滅する敵スロットの間には関係があると考えるのが自然でしょう。
ちなみに、索敵によるルート分岐の検証は20件の連続到達を索敵スコアの閾値の判定基準としているようです。この「陸上戦闘機の配備先と迎撃対象の関係」についても、特定のスロットが必ず全滅するかしないか、という基準で考えた場合、試行回数は元ツイートの上4つの条件でもそれぞれ20件(2&3スロット目に雷電を配備しない4番目のケースを除く)なので試行回数的には十分だったと言えるでしょう。

ただし、提示されたあらゆる仮説はどれほどもっともらしいものだったとしても、独立した第三者による追試が必要不可欠です。ですので、追試を行ったtrollkin氏およびKenWWK氏に感謝の意を表します。

追記

ラムダ氏と観察部氏の件については、あくまで傍観者の観点ですが、論理的に筋が通ってなくても相手が悪い(と思う)から構わず批判する、というのは過日の検証共同関連の方々を思い起こさせる部分があったので記事を書きました。軽く眺めた限りでは、苦言を呈している人もいないようなので、これはさす...